「知りませんよ、私はもう黒蝶じゃないし。普通の生活に戻るんで、放っておいてください。梨湖入りなよ。」 そう言って私はそそくさとドアを閉めた。 「いいの?お姉ちゃん。」 「いいのよ、もう別れたから。」 「お帰り、梨湖。」 「沙絵子さん…」 「うん、ちゃんと帰ってくるのがえらいぞ」 沙絵子さんは満面の笑顔で言った。