「…ごめんなさい…。」


「…いいの梨湖。言ってることは正しいよ、大丈夫だよ。」


後悔ばっかの人生だよ、私は。


「梨華、梨湖おいで。」


沙絵子さんは部屋から少し顔を出して手招きをした。


梨華と梨湖はその手招きのほうへと足を進めた。


「…あんたも後悔ばっかして生きてるんじゃだめ。きちんと想いを伝えなさい。今は無理かもしれないけど1年後、2年後何年かかってもいいから全部伝えなくちゃ、人間言葉なきゃ伝わらないんだから。」


「…うん。」


「梨湖の梨華を心配する気持ちは梨華も重々知ってるよ。でも少し離れてみよう。あんたももうあんたの人生を歩んでるんだから。良いね?」


「…うん。」


「きちんと帰っておいで。きちんと学校通ってきなさい。」


「うん…。」