中々離さない一翔に私は言った。


「…離してよ…」


「…梨華、俺「離してよっ!!」


嘘だよ…本当は離さないでよ…


またそばで愛してるって言ってほしいよ…


静かに、一翔の手が私から離れていく…。


どうしてなんだろう…


なんで、私は素直じゃないの…。


バスの扉が閉まる。


一翔は扉の前で立っていた。


(これ以上、顔見れないよ…)


私は歩き出した。


独りで歩む道を選んだ。