「あ、そうそう。お金も溜まったし引っ越す?」


「え?」


「いやね、夜の仕事してるとお金溜まるじゃん?梨華もあんな奴と一緒にいた家なんて居たくないでしょう?」


「…まぁ…嫌だけど…」


「だから、お金溜まったから高層マンションにでも引っ越す?」


沙絵子さんはそう言って化粧を始めた。


「梨湖は…?」


「もちろん連れて行くわよ。あの子まだ人生半分も生きてないのよ?私立にでも行かせないと…」


沙絵子さんはちゃんと私たちのことを考えてくれている。


「そう…ですね…」


「じゃ、私仕事行くから家の事お願ね。」


そう言って仕事に出かけた。