「おっはよー!」

1週間の折り返し地点の水曜日。私は幼なじみの市川奏汰の背中に元気な声で挨拶をする。

「おはよ、萌衣。相変わらず元気だな。」

眠そうな目をこすりながらさっきまで速く通学路を歩いていた歩調を私に合わせてくれる。

「そうかなー?あ、そうそう、昨日、柚月風邪引いてたんだけどどうだった?」

柚月は私の中学からの親友で、奏汰の彼女だ。
中学の時からの親友だけど高校生になる前に引っ越しをしてしまった。

「んー…。ちょっと鼻声だったけど大丈夫そうだったよ。」

「そう。よかった。やっぱりメールだとわかんないからさ。ありがとう。」