「だって私がプロジェクトリーダーだもの。仕方ないよ」


「何言ってんの。あんたいっつも後輩のミス肩代わりして叱られてるじゃない。ちゃんと課長に釈明しなさい」


「大丈夫大丈夫。課長の説教なんて慣れてるから」


「先輩すごい……緒方課長カッコイイけどその分怒ると迫力3倍増しじゃないですか。あの眼で睨まれてあの声で1対1で叱られたら私なら泣いちゃうかも」


 徳ちゃんが感心したように言う。
 うん、皆がそう言ってるのは知ってる。そして同情されている事も知っている。


「宮原!」


「すみません、今行きます!」


 課長の呼ぶ声がして、美樹と徳ちゃんがびくっと肩を震わせる。
 ありがと、ごめんねと手を合わせて私は会議室へと向かった。


 会議室へ入ると、緒方課長は椅子に座っていて私にも座るようにと隣の席を示してきた。