僕らはまだ6歳だ。
本当だったら小学1年生で今は入学する準備をしてる時期。
「啓くん、点滴終わりにしますよー。」
トクトクと伝わってた音が消えた。
「少し安静にしてから動き出してね!」
もうこの言葉にも聞きなれた。
僕は10分くらいしてから志桜里ちゃんのところへ行った。
志桜里ちゃんは絵本を読んでいた。
「志桜里ちゃん!」
僕が呼ぶとこっちを向いた。
「啓くん、チョウチョが飛んでるの!早く行こう。」
志桜里は僕の手を取った。
その時の生き生きした志桜里ちゃんの顔は忘れられない。
僕はきっとこの時に恋をした。
自分よりも明るく生きようとしている志桜里ちゃんがとっても綺麗におもえたんだ。
チョウチョなんかよりもずっと。
