「美紅‼︎」
「なんですか。」
「私ら友達だよね..⁈」
「はい?」
次の日学校に来て、いつも通り自分の席でぼーっとしていると、福原さんが謎の発言とともにその同意を求めてきた。
「うーん。やっぱまだ駄目かぁ。」
と、訳のわからない言葉を残して友達の所へ行ってしまった。
……行ってしまった?
なんでそんな言い方をしたんだろう。これじゃあまるで行ってほしくなかったみたいじゃないか。
昨日福原さんに話しかけられてから、調子が狂ってしまった。
「白井!あんたの言う通りにしたのに全然うまくいかないんだけど!」
「それはお前のやり方が悪いんだよ。」
福原さんは白井とかいう奴と毎日恒例の口喧嘩を繰り広げているし。
少し羨ましい…なんて思ってみたり。
それはないな。
あれやこれや考えながら彼女等を見ていると、福原さんが嬉しそうな顔をして此方に近づいてきた。
「美紅もこっち来なよ。一緒に話そ?」
ほんと、訳がわからない。
「どうして」
もう考えるのも嫌になった。
もう突き放してしまおうと、昨日より冷たく返してみせたけど。
「仲良くなりたいって、思ってるの。
友達になりたいって。迷惑だった..?」
こんなにストレートに言ってくる子は初めてで、そもそも私が変わってからそんなことを言ってくれる子自体初めてで、ああ、おかしくなったのはこれが原因か。
心が揺さぶられた。
もう私には心なんてないはずだったのに。
「迷惑じゃ..ない。」
小さな声でそれを呟くのがやっと。
「ほんと..?良かった..。」
そう言った福原さん..薫の笑顔は、とても綺麗だった。
