「理恵ちゃーん?」


「ぎゃあ!」


背後からヌッと現れたママに驚き、変な声を出す私。


しかも天井高いからこだましてるし。



「今のって弘人君よね??」


ママがニヤニヤしながら聞いてくる。


「で、何を渡されたの!?」


「ママ見てたんだね…悪趣味。」


「一部始終だけね♪」


「あっそ……。」


同じ事じゃん。


「私今からトレーニングルームで自主トレしてくる。」


ママに背を向け、すたすたとエレベーターの所へ向かう。


「えぇ!理恵ちゃん、インフルエンザ治ったばっかりなのに……。」


「遅れを取り戻さないと大会で優勝出来ないから。」


私は表彰台に立てればいいってわけじゃない。


優勝しか取る気はない。


「そう…無理しないでね。夕飯になったら呼ぶからね。」


「わかった。」









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