話をしたい。

本当はどんなものが好きなの。

いつもどんな風に過ごしているの。

食事はちゃんとしている。

嫌いな食べ物も食べられるようにしてあげたい。

そして、私のことを見てほしい。

享子ちゃん、あたっていたよ。

私、辻堂さんのことが好きだ。

そう思っても、辻堂さんのそばに私はいけない。この場所から向こう側に行くことなんてできるはずがない。
手を伸ばすこともできなければ、彼を手に入れることもできない。

ただ見ているだけ。
たくさんの人の中にいるあなたを見つめているだけ。

軽快に泳ぐ金魚のように、人の群れの中にいるあなたを見るだけの恋。