次の日の朝は土曜日。





目が覚めるて自分の部屋を出るともう家族は居ない



眠い目を擦りながら朝ごはんの菓子パンを持ってベランダに座った




" 〜♩ "






隣から聞こえるギター音









もしかしてこれは理紅が弾いているのかも


何もない壁の向こう側に理紅が居るの

もう菓子パンの味さえわからないくらい胸は高まっていた。








ずっとギターに聴き入って入ると、ほのかに煙草の煙が



「ぅあっ、ケホッケホッ」




理紅って煙草吸うんだ


知らなかった真実になんだか笑みが止まらない









すると、今度はギターの音も煙草の煙も無くなくなり






"ガラガラ"





と、ベランダのドアがスライドする音が



なんだ、戻っちゃったぁ。










"ピンポーン"





「朝から宅急便かな」


寝巻きに脱ぐせ、居留守をしようとジッと固まる




"ピンポーン"


「もう、うるさいなぁ」





インターホンのモニターを見るとそこに映っているのは理紅だった


彼は方向を変えて歩こうとしている





「ど、どうしよう」

勢いよく玄関に走り






"バンッ"




ドアを開けるとやっぱり理紅がいた









「なんだ、君か。急にごめんね」


なんでタメ口なんだろう

やっぱり子どもに見えたのかな?






「い、いや大丈夫ですっ。お、おはようございます」





緊張で声が震えた





「隣に引っ越してきた鈴木っていいます」







鈴木?本名普通なんだ





理紅は紙袋を渡してきた


これが噂の引っ越し蕎麦ってやつかな?





「あ、ありがとうございます」






「今日は学校休みなの?」




「えっ?、、あ、はい」





「きのう制服だったからさ」




なんだ、そういうことか




あぁなにかいわなくちゃ。





「よかったらアドレス教えてもらえませんか?」




ちがう。





「ギター弾いてください」



いや、急にはおかしいか。







「ちょっとお茶して行きません?」






なんだかいやらしいじゃないか。












言えない、、言えないよ。









「じゃあ僕はこれで」


待って行っちゃう





「あっあの!蕎麦ありがとうございます」




「蕎麦?」



彼は首を傾げている





「引越しそば、、、」





「えっ?」



自分があげたくせにわからないなんて、理紅も結構頭が悪いんだ






「ふふっ、なんでもないです(笑)」



玄関のドアを閉めて紙袋を開くと包装紙に包まれていた




リビングの机の上で開いてみると、箱の中にお菓子が詰まっていた