バレない嘘をついてよ。


【一八 side】



学校の階段を降りていた時、
俺は佐伯と一緒に帰ろうと思い図書室に向かった。


……ん?
佐伯と誰かの声が聞こえる。



「っ……⁉︎ 」



そっと図書室の方を見たら、
佐伯と知らない男がいた。


誰だよ、アイツ。
見たことない奴だな。







……なんだよ。

俺は1人、イラついていた。


だって、
無邪気に笑う佐伯なんて俺は見たことない。

俺の前では、あんなに強がってるのに
アイツの前では素直なのかよ。





……はぁー。
いつの間にか、佐伯のことが好きになっていた。


あの時の告白の時は、
曖昧な好きだった。



けど、今は違う。
本気で俺は好きになった。



佐伯と一緒にいたい。
そんな欲まで出てきた。






楽しげに笑う佐伯の声が聞こえてくる。



胸がチクリと痛む。
これがヤキモチってやつなのかな……?