「5分で終わるから! 」
彼は元気良く走っていった。
……誰だろう?
何か見た覚えがあるんだよね。
ーー5分後
「これ、全部借りるの? 」
「うん! 」
彼が持ってきた本の数は15冊。
私の学校の図書室は、
本を借りる数の制限はない。
だから、たくさん借りる人もいるけど
15冊なんか初めてみた。
私は本の貸し出しを、
パソコンで行い彼に本を渡した。
「ありがとう」
「どういたしまして」
「……」
「何? 」
彼は急にじっと、私を見つめてきた。
「……あず? 」
「へっ……? 」
懐かしい呼び方をされた。
この呼び方をする人は1人だけ。
じゃあ、この人はもしかして……

