バレない嘘をついてよ。



夜神はゴムを手に取り、
前髪を結んだ。



「本を読むに、前髪が邪魔だったんだよね。」

「……本って、何読んでるの? 」




にっと笑って見せた本は、
表紙からして怖そうな本だった。




「怖そうだね……」

「うん。……てかさ」



ププッと笑う夜神。



「何よ」

「寝ぐせ、ついてる。お前よく寝てたもんな。寝息を立てて気持ち良さそうにさ」



バレてた⁉︎


顔が熱くなっていくのを感じた。



「何で顔赤くしてるんだよ。あっ、寝顔可愛かったよ」

「……っ⁉︎ 」



”可愛かった”なんて言われたら、
照れるじゃない。


……嬉しい。



「うるさい!勝手に寝顔見ないでよ! 」



嬉しさを隠すため、
私はそっぽを向いた。