バレない嘘をついてよ。


「……なんでよ……なんで詩織を刺したの⁉︎ 」



私はタクトの胸ぐらを掴んだ。



「こいつと少し口論になったんだ」



タクトの視線の先には清水がいた。



「理由は……」



うつむくタクト。


すると、声を震わせ清水が話した。



「タクト……浮気してたんだ。俺さ詩織のことが好きだからさ、タクトを許せなくて殴ったんだ……。そしたら、タクトそのカッターを俺に向けたんだ」



清水は両手で涙を拭いながら話続けた。



「そんな時に、詩織がきて俺らの間に入ったんだ……」

「……なによ、それ……」




私が、違う教室で声がしたなんて言わなければ詩織は……




「おい、どうした⁉︎ 」



そんな時、
教室に先生が駆け込んできた。