「あのさ、何でいつもそーなわけ? ……なに泣いてんだよっ、可愛い子ぶってんじゃねーよ‼︎ 」 ーーバシンッ 教室に痛々しい音が響いた。 「あーあ。あの子……川波さん、長岡を本気で怒らせちゃって。可哀想に」 隣にいたマヤが言う。 あぁ、本当に可哀想だ。 でも、私は何もしない。だって助けたら、今度は私が痛い思いをするじゃない。