「初めまして、葯伊江 リッカです。よろしくね、みんな」




今日、
葯伊江は私のクラスに転入してきた。


優しい爽やかな笑みを浮かべるアイツ。
よりによって、
何で葯伊江と同じクラスに……。





「梓、案外いい人ぽくない? 」

「そう……かな」





私は曖昧に答えた。


昨日の葯伊江の言葉が、
私の頭の中で響く。



……最悪。
葯伊江とは、
もう2度と関わりたくなかった。





「梓? 」

「え、あーごめん。何? 」

「葯伊江に皆んなビビってたくせに、もう仲良くなってるね。爽やかな雰囲気だし、やっぱいい人だね」





ちらっと葯伊江の方を見ると、
葯伊江の座る机の周りには
沢山の人が集まっていた。



”いい人”

マヤはそう言うけど、
私にはそう思えないよ……。