「ねぇ、マヤ」
「何? 」
「マヤはさ、光と陰どっち側なの? 」
マヤは驚いた顔を見せた。
「……光だよ。だって、そっち側の方が成績も上がるし楽で安定な平凡な生活を送れるしね」
「そっか……」
「梓は、どっち側にいるの? ……というか、どっち側でもないか」
マヤは笑った。
光と陰。
私はちょうど真ん中の位置にいる。
別にどっちだっていい。
でも、
光だと色々ルールがあるから嫌だ。
じゃあ”陰は? ”ってなるけど、
あの人達の自由さや馬鹿さについていく自信はない。
私ってわがまま。
そんなわがままな私には、
このグレーゾーンがお似合いだよね?
私はため息を漏らし、
残りわずかのココアを飲み干した。

