バレない嘘をついてよ。


『別に違う。ねぇ、何時頃帰ってくんの?』

『やっぱり、お兄ちゃんが恋しいんだな梓は。』


あー、本当に面倒くさい。


『で、何時頃帰ってくんの? 私、鍵忘れちゃってさ……』

『梓はドジだなー♪ んー、なら早めに帰るよ。8時には家に着くようにするから、それまでどっかぶらついてて』

『分かった、ありがと。じゃあ着いたら電話ちょーだい』

『はーい』


ーーピッ

私は電話を切り、駅に向かった。