バレない嘘をついてよ。


次の日。

私は何も変わらない日を過ごした。




「あっ、梓。ちょっと寄り道しない? 」

「いいよ」




私はマヤと近くのカフェに行った。


マヤはカフェラテを頼み、
私はココアを頼んだ。


冬のこともあって、
外はまるで冷凍庫の中にいるみたい。
……いや、もっと寒いかな?


ココアの温かさが身にしみる。




「そういえばさ」




マヤが突然口を開いた。




「何? 」

「梓って、陰と付き合ってんの? 」

「付き合ってない」




私は即答した。

だって事実でしょ。
私と夜神は付き合っていない。




「……けどさ、前一緒に帰ったでしょ? しかも梓……」

「何よ」

「夏木君とも一緒にいたんでしょ? 」




……何で知ってるわけ?