バレない嘘をついてよ。



長かった授業が終わり、
私は帰る準備をしていた。



「梓、準備できた? 」

「うん、じゃあーー」

「佐伯ー‼︎ 」



マヤと帰る時、
突然私の名前を呼ぶ声がした。



騒めく教室内。



「えっ……? 」

「梓、どういうこと⁉︎ 」



私を呼んだのは、夜神だった。




「私だって、知らないよ」




マヤにそう言い、
私は夜神の方に駆け寄った。




「どうしたの? 」

「一緒に帰ろう」




夜神はそう言い、
私はまだ”良いよ”なんて言ってないのに
私の腕を引っ張った。





「わっ私、マヤと帰る約束が……」

「今日は俺と帰る日。だから、俺に付き合え」




乱暴な口調で夜神は言った。


意味わからない。
何か前にもあったよね、こういうの。





相変わらず俺様タイプ。


でも、

……嫌いじゃない。