レオニスの泪




長く、じっとりとした焦燥感と一緒に、時間は過ぎて行った。

例えるなら、炎天下の日差しの下で、来ない待ち人を待ちぼうけしている。
身体中汗ばんでいて、それでも、そのことにすら気付かない位、目の前は真っ暗。

状況は、それに似ていた。

居ても立っても居られず、外に出てもう一度捜したいと思う。
思うが、情けないにも、その力すらない。

このまま、また日が沈み、新しい一日が始まるのかと思えた頃。




鳴り響く一本の電話。

緊張が走り、私は慌ててそれを取った。


「……はい」

《見つかりました!》

「……は……」

若い声が、急いでいるように口早に捲し立てる。





《葉山慧君、無事保護しました!これから○○病院へ向かいます!》