レオニスの泪




急いで家に帰って、自分の着ていた服を全部洗濯機に突っ込んで回し、熱いシャワーを浴びた。

何度も何度も、泡立てたボディソープで全身を洗い、髪も三回シャンプーした。

そうして、やっと少し落ち着きを取り戻した私は、お風呂から出て、シャツにトレーナーを羽織り、冷えたジーパンに脚を突っ込んだ。

何か飲み物はないかと、髪をタオルで拭きながら冷蔵庫へ向かう途中。


「ーあれ…」


チカチカ、光っている携帯に気付く。
二歩ほど後ずさりして、テーブルの上のそれを手に取り、メールを開くと、ドキと心臓が大きく鳴った。


相手は先日連絡先を交換したばかりの神成先生。


《今日、会える?》


まるで、恋人同士のような問い掛けに、ぎゅうと胸が締め付けられる。

同時に、別の感情に悩まされる。


果たして、この人に、寄り掛かって、いいんだろうか、と。