フェンスの網目がなくなって、クリアな視界は、地上と空の分離をはっきりさせた。
フェンスの向こう側から、後ろを振り返ると、囲われた中と外では、まるで景色が違って見えた。
同じ様に、世界には良い面と悪い面があるのかもしれない。
だけどそれは不平等で、不公平なことに、選ばれた者しか、良い面にはいけないようになっている。
悪いことをしたわけじゃなくても、悪い面しか見れない者が居る。
だとすれば、私は後者で。
きっと、このスパイラルから、永遠に抜け出すことはできない。
ならいっそ。
そんな世界とは、縁を切ればいい。
それの代償が、例えばこの命だとしても。
惜しくなんかない。
こんな世界から、一抜けできるのなら。


