カタン、という音が、僅かに聞こえたような気がして。

本当に眠ってしまった私が目を覚ましたのは、真夜中だった。

ぱたと布団に落ちた染みの意味を暫く思い出せない。

隣にすやすやお腹を出して眠る慧に、布団を掛け直してやる。


ー勇吾と、、会った夢を見た。


漸く思い出せた夢の内容と、泣いている自分に呆然とした。

たまに思う。
例えば、偶然に、保育所の前とか、駅とか、病院とかで、勇吾と今、再開したとしたら
ー自分はどんな反応をするんだろうと。

考え得る候補の中の第1位が、『泣く』だった。

もしかしたら、まだすごく好きなのかもしれない。
だから、どんな仕打ちを受けたとしても、会ったらその思いが溢れて、どうでもよくなっちゃうんじゃないかと、過去を洗い流して、もう一度一緒になろうとするのかもしれないと、思う時がある。


だからこそ、今回神成の事を好きになった自分を認めたくなかった。

離婚は成立しているにせよ、心のどこかで、自分は勇吾が迎えに来てくれるのを待っているんじゃないか、と。

自分の感情が、どう動くのか、分からなくて、不安に駆られる時がある。

だが今回夢で見て。

ー泣いた。

未練タラタラな自分自身に、驚きを隠せない。