「また、降り出してきた…」
慧を送って。
家事を済ませて、椅子に座って、ぼうっとしていると、ぱたぱた、雨の音が聞こえてくる。
霧雨のような雨が朝降っていたが、慧を送る頃には止んでいた為、洗濯物を外に出した。
取り込まなくちゃ、と精神的に重たい身体を持ち上げて、ベランダに向かう。
ーそういえば…見つからないな…
ピンチに挟まれている紐付きタオルハンカチを見て、ふっと思い出す。
慧がチャルダーマンのタオルがひとつ見つからないと言っていた。
保育所に置きっ放しだったりすれば、名前が書いてあるものだし、先生が気付いて教えてくれる筈だ。
けれど、それが違うとすれば、私が使った事になる。
そしてあの分厚いタオルを使用する場所と言えば、職場ではなく、、真夜中の公園だ。
ー公園で落としちゃったのかな。
タオルを見なくなって、かなり経つ。
とすれば、もう無くなっている可能性も高い。
カレンダーにちらと目をやって気付く。
ーこのまま休んでたらいけない。
有給休暇とるのも、そろそろおしまいにしておかないと。
後は、慧にインフルエンザ等、何かあった時の為に、取っておかなければ。
脳裏に過るのは、先日の木戸の顔。
花に罪はないと、結局家の瓶に立てている黄色の花々。
職種を本気で変えないと。こんな所で足止め食っていたらいけない。