―価値、ない。自分には、価値が無い。




「はっ…はっ…はぁっ…」




苦しさで、目に溜まった涙が零れ落ちていく。






―死ぬ?私、、、ここで死んじゃうのかな?




段々身体のあちこちが痺れ始める。





―駄目だ、死ねない。慧、、、慧を迎えに行かなくちゃ…




胸を片手で押さえ、もう片方は口に当てたまま、目に映る緑がなんなのかもわからなくなってきた、その時。





「ちょっと!」







誰かが言葉を放ったのが、ぼんやりとわかった。







「大丈夫…じゃ、ないね。」





続けて、打ち消された大丈夫、と。




ぼやけた視界の先。緑の中に入ってきた、白。




それから―。






「!?」





がくがくと震え始めた身体が、ふわりと浮き上がった、気がした。




何が起こったのか理解できない程思考は混沌にのまれ、成す術も、声を発することもできず。



ただ。




―慧を、迎えに行かなくちゃ…





意識だけは絶対に失くしてはいけないと。



大分薄らいでいるそれを、必死で握り締めていた。