レオニスの泪

顔面蒼白で苦しそうにしている彼女の症状は、過換気症候群といわれるものだと直ぐに分かった。


「ご…め…なさ…ごめ…ごめ…」



途中途中で入る、言葉は、僕ではない何かへと向けた懺悔で。


息が吐けないから苦しいのに、言葉を発するなんてもっと過酷なことなのに。

苦しさから出てくる涙は、ボロボロと零れ落ちていく。


ーどこかで落ち着かせるか。


このままでは、地べたに崩れ落ちてしまいそうな彼女を抱き上げ、最寄りのベンチへと運ぶ。

余りの軽さに、拒食症なのかと訝しんだ。


「時間を掛けて、深く息を吸い込んだら、ゆっくりと吐きだすんだ。できるだけ、ゆっくり。」


「…ご…め…う…」

白いベンチに腰掛けさせてから、安心させるように背中を摩り、自らもゆっくりを努めて言い聞かせると、混濁していたらしき意識も落ち着きを取り戻していき、数分後には正常な呼吸に戻った。



さわさわと爽やかな風が、木々を揺らす。




「落ち着いた?」



「ーおかげさまで…ご迷惑をお掛けしました…」