レオニスの泪

所詮、神成の言うことなんて、綺麗事に過ぎない。




病み上がりの身体が冷えて、乾いた咳が、数回続く。






「私の我慢の限界よりも、他の誰かの限界の方が早かったら、逃げ道なんかあっという間に塞がれちゃうじゃないですか。第1ー」





神成は、ここまで捲し立てても何も言わず、私の言葉に、ただじっと耳を傾けている。




「私は自分の弱さを言い訳にする人間にはなりたくないから…」




だから。




「泣くなら一人が良いんです。」



誰かに吐き出した所で。


どうせ、痛みは和らがない。


明日は来てしまう。



やるべきことはやらないといけない。


自分は強いと言い聞かせて。



一人で平気だとなだめて。



たまに、涙が溢れることがあっても。




「涙が出るのは、自分の意思とは違うし、夜中ですから。」




弱くて脆くてどうしようもなくなる人にはなりたくない。


いや、そうであってはならない。