本当の名前は、なんだったか仰々しいものだった気がするが、忘れた。
だが、そのマンションに、神成が住んでいようとは。
熱のせいではない、眩暈を感じながら、ふと感じる疑問。
「あれ、、慧、家に案内できたの?」
「ううん。なんかあの人知ってたよ!」
言われてピンと来た。
カルテに記載されていたかもしれない。
だが。
「保育所は…なんでわかったんだろう…。どうして、慧を迎えに行っても怪しまれなかったんだろう。」
「それは、ママのバッグが僕のだからだよー」
「え?あ…」
言われてみればそうだ。タオルなんかを入れるので、職場に持っていっていたバッグには、でかでかとマジックで保育所の名前と葉山慧の文字が書かれている。
「ちなみにあのひと、先生に、ママの彼氏ですって言ってたー」
「ふーん…え!!!」
バッグの中に、入れた覚えのない薬の紙袋を見つけ、貼られた付箋に書かれた綺麗な文字に気を取られていた私は、反応に一瞬遅れる。
だが、そのマンションに、神成が住んでいようとは。
熱のせいではない、眩暈を感じながら、ふと感じる疑問。
「あれ、、慧、家に案内できたの?」
「ううん。なんかあの人知ってたよ!」
言われてピンと来た。
カルテに記載されていたかもしれない。
だが。
「保育所は…なんでわかったんだろう…。どうして、慧を迎えに行っても怪しまれなかったんだろう。」
「それは、ママのバッグが僕のだからだよー」
「え?あ…」
言われてみればそうだ。タオルなんかを入れるので、職場に持っていっていたバッグには、でかでかとマジックで保育所の名前と葉山慧の文字が書かれている。
「ちなみにあのひと、先生に、ママの彼氏ですって言ってたー」
「ふーん…え!!!」
バッグの中に、入れた覚えのない薬の紙袋を見つけ、貼られた付箋に書かれた綺麗な文字に気を取られていた私は、反応に一瞬遅れる。


