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再び、目を覚ました時には。
「ーあれ…」
私は、布団の上に横になって、低い天井を見上げていた。
「ママぁー、だいじょうぶ?」
ぴょこっと視界に現れた慧。
「あ…うん…」
「これ、飲むー?」
差し出されたのは、清涼飲料水。
言われてみれば、急に喉が乾いた気がして、頷きながら、受け取った。
「ママ、なんでここに…」
身体を起こしながら、慧に訊くと。
「忘れちゃったの?あのおにーさんが、ここまで運んでくれたんだよ。」
もう、と何故か、頬を膨らませて、腰に手を当てる慧。
ーげ、やっぱり夢じゃなかったか…
「そう…なんだ…で、あの人今どこに…」
「帰ったよ。直ぐに。女の人の家に入るのは気がひけるからとかなんとかって言って、ママを寝かすだけ寝かしたら。」
ペットボトルを開けて、喉に流し込むと、冷たくて、つい欲するままに半分程一気飲みしてしまう。


