「だからもう、お母さんのところに逝きたいよ…」 行って、謝りたい。 フェンスを飛び越えた。 足の踏み場がなくて、狭い。 でもいいんだ、どうせすぐ居なくなるんだから。 ゆっくりと息を吸う。 これでお別れかと思うと、ちょっと寂しいかも知れない。 ははっ、と笑みが溢れる。 私にそんな感情残っていたんだ。 長居は無用だ。 私は空中に足を投げ出した。 いや、投げ出そうとした。