私の高校は、はっきり言って遠い。

電車に乗って、

それから20分ぐらい歩かなければならない



今日は車だけど、

もう明日からここを通るのかと思うと

ちょっと憂鬱でもあり、

楽しみでもあった。


親と別れ、教室に向かう。

ここからは1人。


「満桜ちゃん、行ってらっしゃい」

「はい、行ってきます」


ニコッと笑って送ってくれるのは、

私の里親の、白河咲良(しらかわさくら)さん。


「気をつけてね、満桜ちゃん」

「もう、雅貴さんは心配しすぎだよ?」


心配性なこの人は、

咲良さんの旦那さんの白河雅貴(まさき)さん。



優しくて綺麗な咲良さん

イケメンで仕事もバリバリこなす雅貴さん


私はこの2人にもらってもらえて、本当に良かったと思っている。





「じゃあ、行ってきます!」

『行ってらっしゃい』





私は教室に向かいながら、

2人との出会いを思い出していた。