“───キミは、ひとりとちゃう。”






いつも、やさしいキミ。

いつも、あったかいキミ。

いつも、となりにいてくれるキミ。


そんなキミやから、好きになってん───……。






……でも、


ひとりで無理して、

ひとりでがんばって、

ひとりでぜんぶしようとして、


キミのほうが、なんかかかえてそうやのに。

キミのほうがつらそうやのに。


「大丈夫、大丈夫」

って無理して笑って、
いっつもひとのことばっか。


そんなキミは、嫌いやで。


なんで無理して笑ってるん?

なんで無理してひとりでしようとするん?

ここにいんのに、なんでたよってくれへんの?


なんで、なんで、なんでなん!?


そんなんやったら、いつかこわれてしまうで。


つらいやろ?


つらいときは、

“つらい”

って、言うていいんやで。


つらいことだけじゃなくて、


たのしかったこと

うれしかったこと

笑ったこと


こんなこともはなさへん?


うれしい気持ちとか、かなしい気持ちとか、

いろーんな気持ち、ふたりでわけわけしよ?


じゃあさ、どんなことでもはんぶんやねんから、

ちょっとは気持ちラクにならん?


まわりにいっぱい、キミのなかまがいるで。

キミのとなりには、あたしがいるやん。


ひとりになん、なれたあかん。


世界中のひとが敵にまわっても、

あたしはキミの味方やからな?






キミはぜったい、


ひとりとちゃうで───。






『Deer:キミへ…。』 END★