明けましておめでとうございます。
だいぶ飛びましたが今日は1月1日。
お正月です。
大晦日の前には適当ではあったがちゃんと大掃除もしたし。(終始、掃除という言葉を知らない奴に邪魔されたけど)
甘酒やおせちとやらも作った。(食べれもできないくせに見てみたいと駄々をこねるから)
しかし、新年を迎えた今、もう過去のことは忘れようとした矢先、
「…………なんだこれは」
「ん?」
いや、ん?じゃねぇだろ。
目の前には散らかった部屋。
大掃除をする前よりも格段に汚くなってる。
「どうしてこうなった」
「あ、綺麗にしようかと」
「これが綺麗か?」
「…………」
「答えろ。これがお前にとっては綺麗なのか?」
落ち着け、俺。
新年早々苛つくんじゃねぇ。
もっと穏やかに。
「お前は一生綺麗にしようとするな。勝手にちょうすな」
これ、俺なりに滅茶苦茶優しく言ったつもり。
なのになぜかみるみる溜まっていった涙。
ついには一筋の雫が大きな瞳から零れ落ちた。
「………はぁ」
「………ご、ごめんなさい…」
俺の嫌いなこと。
2位が女の涙。
ちなみに1位は女に囲まれることで3位が女を傷つけること。
まじ勘弁してくれよ~。
「ほら、新年早々泣くんじゃない。今年一年泣いて過ごすことになるぞ」
「…新年?」
「…知らないか…」
まさか新年を知らないとはな。
「新年とは……そう!一年の始まりだ」
「…一年の始まり…」
「ああ、だから一年の始まりに泣くとその年はずっと泣きっぱなしだぞ」
「そ、そんなの……嫌だ!」
「だろ?だから泣くな」
「わかりました」
ようやっと泣き止んでくれた。
あ、忘れてた。
「ペガサス・レディゴット」
「?はい?」
「新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「え!?」
正座して頭を下げた。
「あ、あの!そんな土下座なんて…」
土下座ではないがな。
「こ、こちらこそ…?」
「違う」
なんで疑問系?
「明けましておめでとうございます、だろ?」
「明けまして…?」
「おめでとうございます」
「…おめでとうございます…」
「繋げて言うと?」
「…明けまして…おめでとう…ございます…」
「よくできました」
頭を撫で撫でしてやると嬉しそうにコクコク頷くそいつ。
単純だ。
小動物だ。
「………おせち食うか」
耐えきれなくなり立ち上がった。


