「ここはどこか…だと?」

「私、神界から来たんですけど…あ、神界っていうのは聖獣や聖霊とか神様などが住んでる世界なんですけど…魔界に行く途中で道に迷ってしまって…」

「待て」

お前は何を言ってる?

神界?聖獣?聖霊?神様?魔界?

「よし、寝よう」

きっと俺は疲れてるんだ。

そうに違いない。

明日の朝起きて見れば全部夢だったってことに。

「ならないですよ!!」

…なんだこいつ。

「あ!言ってなかった!私、人の心が読めるんです!」

「へぇ…そう」

頭が痛くなってきた。

クリスマスだというのに最悪な一日だ。

「ここは魔界ですか?」

は?

こいつ失礼だろ。

真顔で聞くことか?それ。

「ここは人・間・界だ!!」

「ええ!?」

ええ!?じゃねぇよ。

「え!?じゃあ、あなたって悪魔じゃないんですか?」

「ふざけんなこの野郎」

誰が悪魔だって?

しばくぞごら。

「ちょっ、ちょっと整理させてください」

「俺は早く寝たいんだが」

「神界から魔界に通じる扉は一つ。その通過地点に人間界がある…ということは…?」

「……間違って人間界に落ちた」

「そう!」

何やってんだ俺。

だんだん慣れてきてるぞ。

危ない危ない。

慣れって怖いな。

「じゃあ、戻れば?」

「そういうわけにもいかないんですよ。扉はいつ現れるか見当もつかないんです。それまでどこにもいけない」

「……んだよそれ」

ということはなにか?

ずっとここに居座るってことか?

冗談じゃねぇぞ。