「うわー!」
「うわー…」
同じ台詞でも対称的な声色。
一つはペガサス・レディゴットのわくわくうきうきした歓声。
一つは俺のげんなりした声。
なにこの蟻の大群。
なんでこんなにウジャウジャいんの?
う○虫みたい。
「早く行きましょうよ!!」
「はぁ!?あの人混みの中を進むのか!?」
「当ったり前でしょ!!あ!ほら見て!出店がある!一生に一度は来てみたかったんだぁ~!」
「ちょっ、おい!待てよ!そんなんじゃはぐれ…」
っていねぇし。
「はぁ…ったく、どこ行ったんだよ」
ケータイなんかあいつ持ってねぇだろうし。
「ちっくしょ」
俺は渋々探し始めた。
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そのころ、ペガサス・レディゴットは………。
「ふぇぇぇえん!!助けてくださいぃぃぃいい!!」
複数の野良猫に追いかけられ、逃げ惑っていた。
「人間界怖いよぉぉぉぉ!!」
やっとのことで猫達から逃げ延び、木陰に隠れる。
ふと、周りを見渡すと知らない人ばかり。
「……ここ、どこぉ?」
人間が悪魔に見えてきた。
そのとき、ベガサスの手を。
ぐいっ
と何者かが力強く引いた。
突然のことに驚きと恐怖で引きつった顔を上げると、そこには――――――――――――――。
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