いじわるで優しい君へ

そんなことを、考えてるとあっという間に昼休みになっていた。
「花奈～！お弁当たべよー！」

「いーよー！」

菜々花のイスを持ってきて、向き合ってお弁当を食べる。

「やっと、お弁当だー！」

「おいしー！」

幸せそうに食べる菜々花を眺めながら私もお弁当をぱくぱく食べた。すると、横から顔がでてきて、びっくりした。
「わっ！」

「変な顔して弁当食うなよ」

翔亜くんが笑いながら言ってきた。

「なっ！変な顔なんかじゃないもん！」

「スッゴい顔してたぞ」

むぅーとほっぺを膨らませると、顔をそらした。どうしたんだろ？と思って顔を覗くと、
「バカ、見てんじゃねぇーよ！」

といって、どっかに行ってしまった。
「なんだったんだろ？」

と一人でつぶやいてると、今まで黙って私と翔亜のやりとりをみていた菜々花が

「ふーん…なるほどね～」
って、腕を組んでにやにやしていた。

「どーしたの？」
と私がきくと、
「なんでも～」

といって、お弁当を食べ始めた。変な菜々花だなーってその時はそれだけだった。