いじわるで優しい君へ

小峯side
はぁ…軽くため息をつく。
さっき、加奈におはよ!っていったら、おはよ!って返してくれてめっちゃ嬉しかった。

でも、あの笑顔は、やばいだろ…
ていうか、今もスヤスヤ寝ちゃってるし…寝顔かわいすぎだっつーの!

でも、他のやつに見られそうで嫌なんだけど…




俺が加奈のことを好きになったのは、結構前から。

まぁ、本人は鈍感だし天然だしで、気づいてないけどな。
最近、なにかと理由をつけて電話をしている。

例えば…俺が前好きだったやつの話しとか。そいつのことが好きだった時にも、席が隣だった加奈にいろいろと相談していた。

でも、相談しているうちにいつのまにか加奈のことが好きになってた。

そのことに気づいて、俺は加奈にアピールしまくってんだけど…あの、天然で鈍感な加奈は全然気づいてない…

この間なんて、好きな人が変わったっていったら、

「えっ!?そーなの!?だれだれ!?」

ってきいてきた。だから、ヒントだけいったんだ。

「えっとねー…天然で鈍感で純粋なひとかな」

「純粋ってどーゆういみ?」

思わず、加奈みたいなひとって、言いそうになったけど、そこはなんとか抑えた。

「う~んとね…騙されやすいひと?」

すると、加奈は真剣に悩み始めた。

「うーーーーーーーん…だれ?そんなひといたかな?」

えっと…いますよ?

「まぁ、いつかわかるよ」

「いつかっていつーーーー???」

「いつか」

なんて、やり取りがあったぐらい。
だから、俺はこのスキー合宿で告白することを決めたんだ。

どんな反応をするだろうか。
もし…もし断られたら…

俺は、余計なことを考えるのをやめ、バスで友達とはしゃぐことに意識をもっていった。