宇宙の星

絶対に怒ってる。と思いながらもどこか許してくれる事を願い待ち合わせ場所に向かう。

「いた」
俺は目でその存在を確認すると、小走りで駆け寄る。

「お待たせ!ごめんな!ひどく電車が遅れるもんで」と言い訳を一発ぶち込む。

「遅い!!!あんたがそんな言い訳すると思って電車調べたけど遅れてないし!」

ばれた。

夏樹は俺の行動を先読みするのが得意。
申し訳ないと思っているけど、幼馴染と言う理由でどこか安心してる自分もいる。

「今日は誘ってくれてありがとう」
「いいよどうせ暇だと思ったし」

大正解だ。夏樹が誘ってくれたのは何かの気遣いなのかーーーーそんな事はどうでもよくて早く見に行きたかった。

プラネタリウム。

星が好きな俺を、夏樹は一番に誘ってくれる。幼馴染だし、何より夏樹もいつの間にか星がすごく好きになっていた。

「楽しみだね」

見ればわかる。夏樹の顔はまるで初めての夢の国にいくみたいにニコニコしてる。

「最近はどう⁈少しは慣れた?」
「うん」
「ごめん…思い出すような事聞いて」
「うん」

もっと違う返答ができたはずなのに、無意識に冷たくなってしまう。

「どうせプラネタリウム見たら思い出す」

「そっか…」

プラネタリウムを誘った事も申し訳ないと言わんばかりの顔になり俯く夏樹。