宇宙の星

そして。

母さんが亡くなって、俺を支えてくれたのは夏樹もそうだけど大樹でもあった。
今もそうだ、たまにこうして家に来て話を聞いてくれて昔話に花を咲かし、叱る時は叱ってくれて正しい道に導いてくれる。


母さんがいなくなり、何もする気が起きなかった俺をサッカーに誘った大樹。

嫌だといったのに無理やりやらされて、サッカーは普通大人数でやる物だけど、その時の俺らには2人でもサッカーと言えた。

俺がゴールキーパーで大樹がキッカー。

全部ゴールに入れられた、一つも取れなくてムカついて、拗ねて。ゴールキーパーと言う役目を放棄した。その時大樹は俺にこう言った。


「宇宙が今どんな気持ちかは100%分かるわけじゃないし、もしかしたら全然わかってないかもしれない、俺と宇宙は昔からのライバル見たいなものだよな?何をやるにも意味もなく競争するんだ。それは宇宙と俺が同じラインに立っててちょうどいい競争になるからだ。だから勝った時嬉しいんだ、負けたら悔しいんだ。自分は一人しかいない、でも宇宙と何かをやる事でまるで自分と戦ってるみたく自分を試せてるみたく思える。同じラインになってるから。今の宇宙は俺よりも下、むしろラインに立ててすらいないな。もし俺が宇宙の立場だったら、宇宙と同じでお先真っ暗で何も考えたくなくて何もしたくないと思う。そんな時宇宙は今の俺と同じ行動を取ると思うぜ。」