瑠璃と冷が結婚してから数ヵ月後。瑠璃が妊娠している事がわかった。
妊娠していると発覚しても、冷は子供は一人だと思い込んでいたが実は双子だった。
知らなかったのは瑠璃がその事に関して全く冷に話していなかったからだ。

「瑠璃~、叔父さんが来たぞ。」
「叔父様!お久しぶりです!」
「おぉ瑠璃。久しぶりじゃな。前よりも綺麗になったの。」
叔父様がうちに来てくれて凄くうれしい。
妊娠してから、冷は早く仕事を切り上げて帰ってくる。正直そんなに早く生まれるわけじゃないから、仕事くらいはしっかりとやって来ようよ;
でもそんな冷の優しさに、つい甘えちゃうのは私なんだけどね。
「瑠璃、んじゃ俺仕事行ってくんな。」
「そんなに嫌々な顔で接客はしないようにね;」
「瑠璃の様子はしっかりとわしが見てるんだからな。安心して行って来い小僧。」
「よろしくお願いします。」
冷はそう言って、仕事に向かった。
部屋にいるのは私と叔父様だけ。
冷が屋敷から出たと確認してから、叔父様は言った。
「まだいってないのか?腹の中の子供の事…」
「言ってませんよ?だって驚かせたいじゃないですか。」
「相変わらず、いたずらっ子じゃな。小僧悲しむぞ?」
「高校時代にあんだけ勘違いしていたんです。これくらいどうって事無いですよ。」
ちなみに、双子だって知らないのは冷だけだったりする。かな達も双子って知ってる。だって教えたんだもん私がね。
でもかな達が知らない事は一つだけ。
お腹にいる事たちが男の子と女の子だって事。
これはお腹にいる間だけの私の秘密。
これくらい良いよね?
「全く…そのいたずら心は誰に似たんじゃろうな。」
「お父さんとお母さんですよ。二人ともすごいたずらをたまにしてましたからね;怖いくらいですよ。」
お父さんとお母さんが一緒に力を合わせていたずらすると、凄く怖かったのを私は覚えてる。思い出したくは無いけどね。
「産まれたら、わしに見せてくれよ?」
「ちゃんと見せに行きますよ。桜と夜は。」
「桜と夜?誰じゃ?」
「二人の名前ですよ。二人ならこの名前とずっと決めていたんです。」
「そうか。桜は、お主が一時期使ってた名じゃな?」
「ご存知だったんですね。」
「そりゃ分かるぞ。まぁ、二人とも良い名じゃな。」
「そうですね。元気に育ってくれるならそれで良いです。」
叔父様とそんな会話をして、今日は一日過ごした。
夕方になって、冷は帰ってきた。
入れ替わるように叔父様は家に帰っていった。
冷は帰ってくるなりずっと抱きついてるまま。何かあったのかな?
「冷?どうかしたの?」
「いや?なんでもない。ただこうしていたいだけだ。」
「そっか。」
結婚してから判明した事が一つある。
それは冷が結構甘えん坊だって事。
帰ってくれば必ず冷は抱きつく。それがもう日課になってるけどね。
最初は驚いてたけどw

二人の出産予定日は二ヵ月後。
産まれるまで冷には内緒にしていた二人の事。


二ヵ月後、冷は凄い驚いていてかな達に笑われていたのは言うまでもない。