上村君と付き合う事になってから二ヶ月経った。
最初は何かと驚かれたけど、奈々ちゃんたちはすっごく喜んでくれた。竜也君はウザかった。というか泣き叫んでだ。
「桜、仕事終ったか?」
「あと少しだから待ってて。」
「また来たか上村、今日こそシバく!」
「んなっ!」
遼が来るなり、夜はまたシバくとかいってる。その光景はいつもの日課となって溶け込んできた。
その光景を見ながら、生徒会の仕事を終らせる。
「今日こそ俺が勝つ!!」
夜がまた遼に言った時に、扉が開いて夜に向かって何かが投げられた。
鞄だね。鞄が夜の頭にヒットした。誰?!
「ま~た、そんな事してんの?さっさと帰るよ~。」
夜に向けて投げた鞄を持って、夜にそういう女の子。誰?見た事ない…
というか夜を呼び捨てにする女の子っていたんだ。それについては全く知らなかった。
「えっと、どちら様で?」
「あら、貴方が夜の妹の桜さん?」
「そうですけど貴方は?」
「初めまして、夜の彼女の城野沙希です。」
城野…?あ、いつも学年三位に必ずいる人だ。
「彼女?!夜に彼女いたの?!」
「付き合って一年は経ってます。沙希って呼んで下さい。」
ニコッと城野さんは笑った。
少し茶色い髪は、肩辺りで編みこみでカチューシャみたいな髪型をしている。身長は私より少し高いくらいかな。ていうか私の身長もう伸びないのかなぁ?一応158cmだけど低いよね。城野さんは160cm位かもしれない。
「夜酷い。そんなの一言も言ってくれなかったじゃん。」
「いや、言うタイミングが…;」
目を逸らしてはそういう夜。
何か誤魔化されてた気分…
「私のことは何でも聞いてくるくせに…自分は言ってくれないんだ…そんな夜嫌い。」
「んなぁ!!」
夜から顔を逸らして、私は仕事を再開した。夜はさっきからごめんって言ってるけど、ちょっとたまには意地悪してみたいので無視をしていた。
城野さんと遼は何か笑ってたけどね。

「やっと終ったぁ~。遼帰ろっか♪」
「おう、暗いもんな。」
「桜ぁ~…謝るからぁ~…」
「うるさい、沙希さんバイバイ。」
「うん、また明日ね桜さん。」
夜にうるさいといって、沙希さんに挨拶して遼と家に向かった。
後ろでなんか夜がうるさいけど、沙希さんがなんか思いっきり殴ったみたいで黙り込んだ。

―校門前―
何か校門前に竜也君がいた、優斗君は何かあきれて隣にいた。
「二人ともどうしたの?忘れ物?」
「竜也が何か桜に言う事あるんだって。」
「なに?付き合ってとか言わないよね?」
「そうじゃなくて…俺にはお前が必要なんだ。」
…何か意味のわからないこと言い出したね。
「頭大丈夫?脳外科に行ったほうがいいんじゃない?それとも…夜に思いっきりもう一度殴ってもらいます?」
「ごめんなさい、調子に乗りすぎました。」
「だから止めろって言ったのに…悪いな鈴木、バカな事につき合わせて。」
「優斗君のせいじゃないでしょ。んじゃ、私遼と帰るから。また明日ね。」
優斗君に別れを告げて、遼と家に向かった。
というか夜に彼女さんがいたなんて本当に知らなかった。何で言ってくれなかったのかな?
「桜?寒くないか?」
「うん、平気。寒くないよ。」
「夜の彼女さんお話はびっくりだったな。」
「うん、一回も聞いた事なかったもん。自分の事は話さないとか夜ずるいよ。」
「拗ねるなって。桜が大事だからだろ?」
「それとこれとは話しが別だよ。でもさ、何か沙希さんと話してるときの夜の表情優しかった。何だかんだ言って夜もちゃんと好きな人できてたみたいで良かった。」
遼はそうだなとか言って、握ってる手をさっきよりも強く握ってきた。
「どうしたの?」
「いや、なんでもないよ。」