友美と俺は瑠璃の家の近くまで来ていたけど…瑠璃の家まではまだついていない。瑠璃の家に行く前に、少し寄り道していた。
公園のベンチに座って、のんびりと過ごしていた。
「父さん!ここで遊んでていいのか?」
「あぁ、怪我はしないようにな。」
「服も汚さないでね。」
「わかった!」
息子の涼太は滑り台とか鉄棒で無邪気に遊びだして、俺と友美はそれを見ていた。
「亮太もでかくなったなぁ。」
「そりゃ、五年経てば大きくなるわよ。何を言うんだか…」
「でも実感とか無いじゃん。皆元気かなぁ…」
「冷は仕事が忙しいみたいだけど、しばらく休むみたいよ。」
「へぇ、会社も安定したんだ。」
「そうね、まぁ優秀な秘書がいるから当たり前じゃない。」
ドヤ顔する友美がちょっと可愛かった。
というか自分で優秀とか言うかよ普通…
ちょっとそこに俺はあきれた。でもこの二人だからあの会社も業績とか伸びるんだろうな。冷が社長になる前までは、二流とかであと少しで一流の仲間入りだったらしいけど…
冷が社長になってから、一流に仲間入りした。一時期バッシングとかあったけどな、何しろ瑠璃が継いだのはヤクザとかだし。
それで何かしらの報道が凄かったけど、瑠璃の住んでいる地域の市民や市長。それ以上に凄いのが、国会議員や天皇までもが抗議した事。
結構でかい組らしく、天皇がよく家に来たりしているらしい;
何でかというと、天皇と瑠璃の叔父が同級生らしい。それも一番仲良かったらしい。
世の中どんな繋がりがあるかわからないもんだな。その事実が一番衝撃的だった。
まぁ、そんな事もあったけど会社の評判は実力だということが認められた。今ではすっかり就職したいという人達が多いらしい。
「そろそろ向かうか、亮太いくぞ!」
「は~い。」
滑り台の上に上ってたらしく、滑ってきた。
良太は俺と友美の間に入ってきて、小さい両手で俺と友美の手を両手握った。
へらっと笑う亮太の笑顔は、友美にそっくりだ。
「皆元気だといいな。」
「そうね。」
亮太を肩車して、片手で友美と手を繋いでゆっくりと瑠璃の家へと向かった。