「真帆~、行くぞ。」
「まって!これ忘れてる!」
「やっべ、サンキュ真帆。」
真帆から紙袋を手渡されて、玄関の鍵を閉めた。
真帆と手を繋ぎながら駅へと向かい、電車に乗る。
「久々に休み取れてよかったよ。」
「そうだね、私はいつも家にいるけど…大丈夫?」
「気にすんな、真帆も色々と大変じゃねぇか。」
「カイほどじゃないよ…」
電車に揺られながら、俺ら片手で真帆を支えていた。昼間でも満員だからな、真帆は身長が低いから手すりを掴むけど…手すりが近くに無いから俺が支えるしかない。
「真帆は自分の体調を考えるだけでいい。大丈夫か?気持ち悪いとかないか?」
「うん平気。ありがとうカイ。」
「気持ち悪くなったら言えよ?」
「わかった。そうするね。」
服の裾を掴んで、俺に少し寄りかかる真帆が可愛い…
とかずっと考えながら俺と真帆は瑠璃の家へと向かった。
皆元気だろうな…ここ最近俺は健や大悟としか会ってなかったし、かなは最近仕事を休んでいる。その分の仕事が俺に回ってくるけど、まぁ気にしない。
瑠璃は瑠璃で、何かと忙しいみたいだ。