やっぱり誕生日の時の出来事かな。
何かとめんどくさい事が色々あったもんだ。一番のめんどくさい出来事といえば、去年の時期だよね。
何も起きないと思ってたけど、やっぱり何が起きるのかわからないもんだね。
たまたま冷が熱で欠席した日に、かなとカイが転入してきた。その日を境に、クラスメイト達の様子はおかしかった。
その理由がわからないままなんだけどね。
次の日には、冷と登校途中でカイの悪ふざけによって冷に別れられた。”カイのせいで!”私は未だに根に持ってるからねぇ~…
冷はその日のうちにかなと付き合いだしてるし…あのときの私は何を思ってたんだろう。とにかくイラついていた・ムカついていた。それ以上にもう誰も信じたくなかった。人が嫌いになってたのかもね。
死のうと考えていた私を止めてくれた空には、少し感謝してる。
空がいなきゃ多分死んでたかも。
冷たちも、友美さんの結婚報告の時に空が来たからその時にお礼してた。
一年間過ごしていた自分の席に座って、私は色々思い出していた。
「瑠璃?どうかしたのか?」
「ん~?去年のことを色々思い返していたの。よくあれからここまで復帰したなって…」
「それを今言うのか?」
「何度でも言ってやるよ?周りのことを考えない人が何を言うの?」
「だからごめんって…」
「だまらっしゃい。」
「はい…」
前の席でうつ伏せになる冷。いつも授業中はこの体勢だった冷。後ろからそれを見るのも好きだった。
「そろそろ帰ろうか。」
「うん、でもその前に屋上に行きたい。」
「行こっか。」
冷を起こして、屋上に行こうと誘った。
私達は鞄を持って一目散に屋上へと走った。

屋上に出れば、気持ちのいい風が吹いている。この空気も好きだった。
屋上からの風景を携帯で何枚か撮って、皆で仰向け上に寝そべった。
「卒業…しちゃったね…」
「そだね。何か実感無いなぁ…」
「でもさ、卒業したからって俺たちの関係がなくなるわけじゃないだろ?」
「そうね、私達はこのまま変わらないわ。この先もずっと。」
「「「変わらず、ずっとこのままでいられますように!」」」
私達はそう空に叫んで、校章を上に思いっきり投げ上げた。
校章が夕焼けで少し輝いて、落ちてきた。
私達はそれを手にとって、屋上から出て行った。

教室にはもう誰もいなかった。少しなんか寂しい気がする。夕方のこの教室も、もう見ることが出来ない。
全部今日で最後。何か寂しいかもね。
私達はゆっくりと校舎から出て、校門前まで来た。出ようとした時に、校舎の方を向いて私達は一礼した。
いつも以上にゆっくりと私達は家に帰る。


「それじゃ、またな。」少し涙目の健。
「暇なら連絡頂戴ね。」健に寄り添って泣いて言うなみ。
「るーちゃんを優先するわ!」拳を握って言うかな。仕事を優先にして!
「真帆は先に帰ったけど、今度真帆も誘って何処か行こうぜ!」彼女できてから楽しそうなカイ。
「俺もそん時は誘ってくれ。」のん気な性格の大悟君。
「俺と瑠璃の結婚式は来いよ?」完璧に性格が戻った冷。
「皆それぞれ言ってる事ばらばら。でも本当にありがとう。」
皆それぞれ言ってる事はバラバラ。それでもきっとこの先何も変わらないってわかってる。
だから、私達はさよならは言わない。
「じゃぁ…」
「「「また今度!」」」
今度何時会うかわかんないけど、また今度って言ってみんなそれぞれ家に帰って行った。
冷と手を繋いで、ゆっくりと私も家に帰った。

こうして私達の高校生活は幕を閉じた。