ようやく涙が止まって、私は家に帰ろうと校舎を出た。校門を出たところで、冷が後ろから走ってくるのを見てとっさに走ってしまった。
「待てよ瑠璃!」
「嫌に決まってるでしょ?!」
「話しを聞けよ!」
「嫌!」
逃げても、男子の速さに勝てるわけも無くすぐに捕まった。
息切れのせいで少し苦しい。けどそれ以上に冷が追いかけてくる理由がわからなかった。
「話し聞いてくれよ。」
「嫌って言ったじゃん。」
「聞いてくれないなら手は離さない。どうする?」
「……わかった。聞くから離して。」
そう言うとゆっくりと冷は手を離してくれた。
「あのさ、誤解してるだろうけどさっきの奴は俺の彼女じゃない…というか、退学するから来週まで彼氏みたいにしてくれって言われただけだ。」
「別に私には関係ない。」
「そうだけど…俺は本当にもう嘘は吐かない。」
冷嘘は吐かないか…何回目なんだろう?
「何が言いたいの?」
「俺は瑠璃が好きだ。」