嫌がっても朝は来る。
渋々制服に着替えて、学校へと向かう。
音楽を聴きながら、歩いていく・・・
前方にはかな・冷・健・なみ・カイが歩いていた・・・
無視して横を通り過ぎる・・・
横を過ぎていったら、会話が途切れた・・・
カイは昨日の事も忘れたかのように、抱きつこうとして来た・・・
「触んな。気持ち悪い。」
パンッと手を払って歩いていった・・・
カイ以外は固まっていた・・・
それもそのはず、こんな性格を冷たちに見せたことはない。
見せる必要だって無かったんだから...
でも、もう気にしない。
全てがどうでも良い。気にしないでいく。
教室-
中に入っていったら、皆冷たい目を向けてきた・・・
自分の席に行ったら、また汚くなっていた。
周りはクスクスと笑っている・・・
「ねぇ、こんな幼稚なことして楽しいの?頭おかしいんじゃない?」
そう言って、屋上へと向かっていった。
教室からは何か文句言ってる声が聞こえたけど無視する。
屋上は風が心地よかった・・・
独りってこんなに気楽なんだ・・・
楽でいいな・・・鞄を枕代わりにして眠った・・・


冷サイド+*+*+*+*+*
かなたちと登校していたら、瑠璃が横を通りすぎていった・・・
俺には見向きもしないで・・・
なんでか苦しくなった、俺が振ったのに・・・なんでこんな気持ちになんだよ・・・
意味わかんねぇし・・・
長かった髪も短くなって、誰かわかんなかった。
以前までの面影はなくなった。
今いるのは、ただのクラスメイトで元彼女で関わりなんて何にもない・・・
俺にはかながいればいい・・・
そう思ってもなんか知らないけど、穴がぽっかりと開いてる気分がして気持ち悪い・・・
かなじゃ埋まらない、何なんだよ・・・


瑠璃と別れる前に、いつも付きまとってた女の一人から電話がかかってきた・・・
『何?』
『ねぇ、どうしてあんな子と付き合ってるの?』
『お前らに関係ないから、そんだけなら切るかんな。』
『冷君は騙されてるわ!!あの子は二股かけてるのよ?!いいの?!』
『はぁ?んな事信じっかよ!!ふざけんじゃねぇ!!』
啖呵をきって電話を切った・・・
瑠璃が二股なんてかける訳ない。
俺は瑠璃を信じてる・・・
そう信じて俺は眠った・・・
次の日、俺は微熱を出して休んだ・・・
瑠璃に会いたくても俺は会えないと悟った瞬間に虚しくなった。
完璧に瑠璃に惚れてるった実感もした。
早く会いたい。
そう思い、俺はまた眠った・・・
次の日-
いつも通りに瑠璃と登校していた。
「瑠璃~!!はよ~!!!!」
そう叫んで瑠璃に抱きついてきた一人の男・・・
(誰こいつ・・・)
気安く俺の瑠璃に触るんじゃねぇよ・・・
怒りが徐々に込み上げてくる・・・
「抱きつかないでって言ったでしょ?!離れて!!」
そう言って突き放す瑠璃・・・
それでも構わず、瑠璃に抱きついたまんまだった・・・
「瑠璃、誰こいつ・・・」
「幼馴染・・・「彼氏のカイだけど?」何言ってんの?!ふざけないで・・・」
・・・は?今何て言った?
俺が彼氏何じゃないのか?
『二股』
この前の会話が頭の中に流れてきた・・・
瑠璃の今までの言葉は偽りだったんだな・・・
なんか馬鹿みたいじゃねぇか、俺・・・
その後に瑠璃が何か言ってたけど、聞く耳を持たないで瑠璃と別れた・・・
背を向けて歩いていくと、走り去っていく音が聞こえた・・・
そんなことを無視して俺は学校へと向かった。
教室-
「はよっす冷、今日は早いんだな。」
「そうか?いつもと同じだろ?」
こいつはクラスメイトの大悟、俺の幼馴染だ。
なんかの腐れ縁だな。
俺を理解してくれて、気が楽になんだ。
「いつも杉原と一緒じゃんか。なんかあったのか?」
「知るかよ、あんな奴。捨てた。」
「は?マジで?!あんなに惚れてたのにか??」
「二股かけてたんだよ。ふざけんなっつーの・・・」
「杉原・・・そんな奴なのか?本当に、それは事実なのかよ冷。ちゃんと話を聞いたか?」
「話・・・?」

『冷!!違うの!』

必死に何かを言おうとしていたのに聞かなかった・・・
そういや聞かなかったな。
「聞いたか?冷。」
「嫌・・・聞いてねぇ。」
「馬鹿!!お前本当に後悔すんぞ?!いいのかよ!!」
「もういいし、どうでもいいんだよ。」
「そうか、冷が良いならかまわねぇけど・・・じゃ、俺がもらっても良いんだよな?」
「・・・はぁ?何言ってんの?」
大悟の言っていた意味がわかんなかった。
「俺、実際杉原狙ってたんだよ。まぁ、別れてんなら良いよな。許可いらねぇし?人気あんの知ってたか?」
「勝手にしろ。俺は寝る・・・」
机にうつ伏せになって、俺は寝た・・・
考え直してみた・・・

(泣き声聞こえたな、そういや・・・)

無意識に瑠璃のことを考えた・・・
その日、俺はかなと付き合いだした。
帰り道に、瑠璃と会った。
瑠璃は無表情でいた・・・
瑠璃に暴言を吐いて、俺とかなはその場を離れていった。かなを家に送り届けてから、家への帰り道に俺は色々考えていた・・・
『俺がもらっても良いんだよな?』
大悟の言葉が頭から離れない・・・
もうかながいるから瑠璃なんて俺には関係ない・・・
そう自分に言い聞かせた・・・
嫌、自分のした過ちを今になって後悔していたのかもしれない。それを認めたくないからかなを利用しているのかもしれない。
この時点で、俺と瑠璃の歯車は音を立ててずれていったのかも知れない・・・
小さな音を立てて、ゆっくりと・・・
それを俺は聞き逃していた・・・
その事に気づくのは、まだ先のことだった・・・
冷サイド終---

「ふぁ~あ・・・」
ぐ~っと背伸びをして、立ち上がった。
時間を確認したら、もう4時間目終了5分前だった。
「そんなに長く寝てたんだ。」
ぼけぇ~っとしていたらチャイムが鳴った。
(あまりお腹減らないな・・・)
けれどお母さんのお弁当はおいしいから、残したくはないんだよね・・・
「食べよっと。」
鞄の中からお弁当を取り出して、一人で食べ始めようとしたその時・・・
ガチャッ・・・と屋上の扉が開いた。
「よっ、ここで食っていいか?」
「別に好きにしたら?」
「じゃ、おじゃましまっす♪」
隣に座ったのは、冷の友達の大悟だった。
珍しいな、ここに来るなんて。いつも教室で食べてるのに・・・
「な、何で冷と別れたんだ?」
「?何で聞くの?そんなこと・・・」
「あぁ、気になったから?」
「疑問で返さないでくれる?わかんないから。」
「わりっ;;で?何でだ?」
そんなに気に何のかな?
でも言っていいのかな?
「・・・内緒にしてね。冷の取り巻きが・・・」
+~+~+~+~+~+~+~+~+~+~+~+~+~
「そっか、だから別れたんだな。」
「そう・・・でもさ、何でなみ達が無視するのかは知らない。でもいいかもね・・・独りって楽だしね。」
大悟は、暗い顔をして聞いてくれた。
なんだか涙ぐんでるような気がする。
「だけどいいのか?!冷がまだ好きなんだろ?!なら「いいの!!冷が巻き込まれないならいい!冷達には言わないで。」でも・・・」
「かなが私のいたとこにいるのは嫌だよ・・・でも私が犠牲になれば・・「何で瑠璃がそんな事にならなきゃいけないんだよ!!」大悟・・・」
自分のことのように大悟は怒ってる。
大悟は優しいんだね ・・・
こんなろくでもない私のためにそんなに怒ってくれる・・・
「気にしないで?大丈夫だから。」
「でも、後悔しないのか?瑠璃・・・」
「ん~~…確かに悔しいし、悲しいよ?それでも、冷が巻き込まれないのならいいからさ。本当に言わないでね?」
「分かった、そんなにまで言うならもう言わないよ。」
「ありがと。さっ、食べよっか。」
それから大悟とお昼を食べた。
大悟と食べるのは久しぶりだったからね・・・
なんかおいしく感じた。
でもやっぱり頭の片隅で思っていた・・・
独りのほうが気楽だと・・・
独りでいれば誰にも迷惑かけない。
自分で好きなように行動できるんだから...
もう誰とも関わりを持ちたくないな...