やべぇよ…かながブチギレ寸前だよ!誰かぁぁ!!誰か逃げ道をくれぇ!
「俺ちょこっとトイレに…」
「カイ?逃げるなんて事は…しないわよね…?」
「ア…アハハハハハ;;;」
「カイ?ちょっとそこに座りなさい。」
「ごめんなさい、もう逃げようなんて思いません。申し訳ございませんでした。」
土下座して謝るしかねぇよなぁ;
やっぱりかなは瑠璃に関する事になると怖い。
流石に逆らえない。とゆうかもう止められないわ。終わった…俺の人生…
「さて、で?何人いるのかしら?」
かながそう言うと、5~6人が手を挙げた。
他にいる奴らは、目をそらしていた。
何人かは、正面を向いてかなをじっと見つめていた。
「これだけじゃないはずよね?他にもいるはずよ…正直に言いなさい!」
マジギレ寸前だねぇ~…俺ここに居たくないよ…居心地悪いよ。
「正直に言った子達はいいわ。明日瑠璃は冷と来るはずよ。その時にちゃんと謝って頂戴?あの子は何も悪くないの。たまたま組長の家柄に生まれただけなのよ…」
「でも…私瑠璃に酷い視線を向けて…」
「…それ、自分がされたらどうかしら?耐えられる?そのとき謝ってもらえれば嬉しくないかしら?大丈夫だと思うわ。」
「うん、あたし明日必ず謝る。何度も許してもらえるまで…」
うしっ!これで数人は、怯えるような事はなく終った。ただこれからが本番。目を逸らしている奴等が心配だ。
ハラハラすんなぁもう…
俺は教室を覗いている野次馬共に、危険と知らせて来ないように言っておいた。
これから何が起こるかわからねぇもんな…
「カイ、ここにいる手を挙げた数人と目を逸らしていない数人と教室の端に居てくれないかしら?」
ニッコリと笑っているかなの笑顔が、もの凄く怖かった。
俺はこのかなの笑顔を見ると、もう従うしかなかった。俺はかなが怒り出した時、手をつけられない。
「あぁ、わかった。でも…やりすぎんなよ。かなを止められる奴はいまここには…」
「わかってるわ、出来る限り押さえる。でも出来なかったらお願いね。」
「わかった。んじゃ、数人こっちに来てくれ。」
数人と一緒に俺は、教室の端っこに寄った。
かなが暴走しないかかなり心配だ。
「カイ、もう無理かもね…限界来ちゃったわ…」
「早すぎんだろ!!」
「ねぇ…一体貴方達はどれぐらい瑠璃を傷つければ気が済むのかしら?こないだで気が済んだんじゃないの?それともまだ傷付けたりないの?いい加減にしなさいよ!」
「何よ!組長とかの娘ならこれくらいいいじゃない!もうあの子なんて生きてる価値ないのよ!」
「だったら貴方なら耐えられるの?!生まれてくる場所なんて選べないわ!貴方が瑠璃の立場ならどうなの?!そうだとしたら貴方が生きてる価値ないわよ!それ以上に何も知らない貴方なんかに瑠璃を傷つけられたくないわよ!生きてる価値がないとか言わないで頂戴!」
かなとの口論が続く中、健となみは俺に話しかけてきた。
「な、何で俺等離されたんだ?てか暴走って何?」
「あぁ、かなは瑠璃のことになると怖いんだよ。俺も手はつけられねぇ。諦めるしかないな。」
「そんなに瑠璃が大切なんだ…」
「瑠璃は自分が組長とかの家系だって事はずっと隠してたんだよ。何でかわかるか?」
「嫌がられるから?」
「それもあるけど、叔父がそうだってことだけで嫌われたくなかったんだよ。例えばさ、自分の親が悪い事して捕まっただけで子供も悪者扱いだろ?瑠璃はそれが嫌なんだよ。だからあいつはイジメ自体を嫌うんだよ。」
自分が家系を嫌いたくはないし、それでいじめられるのも嫌…
だからといって仕返しもしたくないし、親に迷惑もかけたくない。それなら自分一人で耐えた方がいいと考えて苦しむ。それが瑠璃だった。
何があっても、たとえ自分が悪くなくても相手を責めたりはしない。
「瑠璃はいつもそうよ…いじめられてる時も相談位して欲しかったのに何も言わないで…」
「巻き込みたくなかっただけだろ?それくらい考えて置けよ?」
「わかってる。」
「で、俺は今かなが怖いんだけど…」
片手でかなのほうを指差す健。
その方面に視線を向けるt…
向けたくないな…

「瑠璃に謝りなさい。」
「嫌よ!」
「今ここで謝るならいいわよ?」
「それもしないわ!私は悪くない!」
「他の貴方達もよ?言われないからって関係ないみたいな顔してるんじゃないわよ。」
「俺は何も言ってないだろ!」
「言ってないから言うのよ。」
あー、瑠璃呼んできたほうが早いかもなぁ…でも今多分冷といるだろうし…かなが暴走しない事のみを祈っておこう。
「あんな奴いらねぇだろ?ヤクザなんて…?!」
話してる最中に、顔の横をかすったものに驚いて途中で言葉を失った。
それもそうだろうなぁ…かなが投げたのはイスなんだから;;こりゃもうキレんな。うん。
「瑠璃はヤクザじゃない!何度言わせるのよ!いい加減にして!」
「叔父がヤクザなら一緒だろ!」
「一緒じゃないわ!そんな事言う奴らがいるから瑠璃が傷つくんじゃない!」
「血筋なんだから一緒じゃないもクソもあるかよ!」
「なら何度だって言うわよ!貴方が同じ立場ならどうなのよ!それでも言えるの?!自分の立場じゃないからそんな事言えるんでしょ?!考え直しなさいよ!」
かながここまで大声出す事なんて今までなかった。瑠璃がいじめられたりするとよく相手に怒ったりはしていた。でもこんなに大声を出す事はなかった。 
「かな、これ以上大声出したらお前声枯れるぞ。大丈夫かよ…」
「平気よこれくらい。瑠璃の苦しみに比べたら、軽いものだわ。私は本気で許せないのよ。何の苦しみも知らない奴らに瑠璃を侮辱される事がっ!」
そう言って睨んだかなの視線に怯む数人。
「そうだな…流石の俺もイライラして来た。」
瑠璃の叔父さんはもの凄く優しい事を、俺たちは知っている。それに、あの町を守っているのは瑠璃の叔父さんたちだ。あの町の人たちはあの組を嫌ってはいない。それ以上に、仲がいいんだ。それを侮辱されるのは許したくない。
「健、なみ…教室から出られないようにしといてくれないか?」
「?教室のドアの前にいろってか?」
「あぁ。」
「いいけど…何する気なんだよ。」
「ちょっと、かなと拷問?」
「あら、たまにはいい事いうのねカイ。」
「叔父さんたちの悪口を聞いたら、許したくはないだろ?」
「同感ね…」
かなと一緒に俺は座っている奴らを睨んだ。
さてと…
「「お仕置きの時間だよ…?」」
瑠璃たちを侮辱した事を、後悔してもらおうか…

それから数十分、この教室から悲鳴が上がっていた。
一応忠告はしておくけど、そこまで残酷な事はしてないからな?
しいて言えば、もう瑠璃刃向かう事はできないってことだ。
明日の反応が楽しみだ。