叔父様が部屋から出て行って、気まずい空気が流れてる。
「瑠璃、辞めるとかもう言うなよ。」
「嫌だ、辞めるって決めたんだか辞める。」
「それでいいのかよ。」
「ならどうすればいいの?!来るなとか言われてるのは私なの!あんたはそんなこと言われた事ないからでしょ?!言われた事のない奴なんかに私の気持ちなんて分かんないよ!」
「あぁ、確かにわかんねぇよ。お前の気持ちなんてこれっぽっちもわかんねぇよ。」
「ならもう関わらないで!」
「わかんねぇけど、お前苦しそうな顔してんだろ?!本当は辞めたくないんじゃないのかよ!嘘ばっかついてんじゃねぇ!」
「嘘なんかついてない!」
「それが嘘だって言ってんだろ?!お前嘘つくときは目を見ない癖があんだよ!!本音言えよ!」
「っ…」
何でそんなにも分かってるの?何でそんなにも必死になるのさ、冷は関係ないじゃん。放っといてくれればいいのに。
いつもそう。自分とは何の関係もないのに首突っ込んできて…自分のことみたいに必死になって…中学の時、関係ないのに人の喧嘩に手を出してきて怪我したのに。そんな危険に晒されて他のにもかかわらずに付きまとって…本当にバカなんじゃないの?
「放っといてよ…何さ…もう巻き込みたく無いから突き放したのに…」
「瑠璃…?」
「わざと酷い言葉とかで突き放したのに、何で関わるのさ…また危険な事に巻き込むかもしれないのに…なんで関わるのさぁ…」
「瑠璃、俺は巻き込まれたとか思ったことは無い。それ以上に、俺が勝手にしてる事なんだから気にすんなよ。」
冷は近づいてきて、隣に座った。
「バカなんじゃないの?」
「バカで結構。元からバカだし?」
ニカッと笑う冷。その笑顔は久しぶりに見た。
笑顔見た瞬間、私の中の何かが切れた。
「で、結局どっちだ?行きたいのか?行きたくないのか」
「行き…たい…まだ辞めたくない…」
「そうか、やっと瑠璃の本音が聞けた。」
「でも…私が行ったら…」
「文句言う奴がって?そこは心配なく。」
「どういうこと?」
「あ~、瑠璃が教室でて行った後に色々あってさ…」
教室での出来事を、冷から聞いた時驚いた。かな達がクラスメイトに怒鳴ったとか;
かな達が怒鳴る事はめったに無いからね。
でもその話しを聞いたときに自覚した。かなとカイは本当に、私の親友だってわかった。
それなのに私は、突き放したりしたんだ…
「そんな事があったんだ。」
「まぁな、今どうなってるか知らねぇけど。」
「…暴走してなきゃいいけどね。一回暴走したら危険だし。」
「してない事を、信じるしかないな。」

冷とずっと話してた。
こんなに話してたのは久しぶりかもね。

「瑠璃、今日は泊まってくのか?」
「あー、お母さんの退院はまだなので泊めさせて貰います。」
「小僧はどうする?泊まるか?てか泊まってけ。」
「「拒否権が無い?!」」
「瑠璃いつも一人で寝てるし、たまにはいいだろ。」
「迷惑じゃ…」
「構わん構わん。一人くらい増えようがあんまり変わらないからな。」
「じゃぁ、お言葉に甘えさせていただきます。」
「おうよ、んじゃ。飯まで待ってろ。」
それだけの為に来たんだ叔父様;
てゆうか、いつも一人で寝てるしってどういうことなの?!
深く追求したくはないけど…
「瑠璃のおじさんって豪快だな。」
「そういう人だから、気にしたら負けだよ。」
「そうか…;;」

―夕食時―
「お嬢!飯の支度が出来ました!」
「分かった。今から行く。いこっか冷。」
「おう。」
大きな部屋に移動して行くと、叔父様達がもう座っていた。
ここに入ってきた時の空気は少し苦手。
「冷、こっち。」
「あぁ;;」
「全員そろったな。それじゃ…」
「「「いただきやすっ!!」」」
「いつもこう?」
「うん、私も慣れるのに時間はかかった。気にしないで食べて。ご飯は美味しいから。」
「いただきます。」

ぎこちなく食べる冷、その姿に少し笑った。
にぎやかな夕食、宴会みたいだよね。

―就寝―
「疲れた…」
「お疲れ様。大丈夫?」
「賑やかだよな本当に;」
「それがここの空気だから、気にしないで。」
「ふーん。」
「寝ようか。おやすみ。」
「おやすみ瑠璃。」
隣りあわせで、寝る私達。ちょっと緊張する。
明日は学校、少し怖いな…
小学校の頃みたいな視線向けられるのかもしれない。冷たくて、蔑む様な視線。それは本当に苦手。
もうそんな目線を向けられたくない。
暴走しないようにしとかないとね。